「故澤木勇二初代理事長の思い出を語る会」を開催
故人の人柄、業績を語らう
「故澤木勇二初代理事長の思い出を語る会」 10月4・5日:協会トレーニングセンターにて開催
「故澤木勇二初代理事長の思い出を語る会」が10月4・5日、神奈川県川崎市の国際救命救急協会AHAトレーニングセンターで開催されました。
5日は台風が関東地方に接近中というところ、二日間で延べ35名が参加し、澤木初代理事長の思い出やその業績などを語らいました。
10月7日は、初代理事長の命日にあたり、その悲しい死から一年が過ぎたのを振り返りつつ「一般市民に広く救命救急法を普及する」という遺志を、白理事長を中心にしっかりと引き継いでいこうという決意を確認できた「語る会」でした。
また、当日はどうしても参加できない多くの方からも、電話、手紙で「参加できないのが残念です。しかし、協会の事業を引き継いでいこうという思いは同じです」などの激励をいただきました。
韓国支部からも、AHA IEMA KOREA KSIトレーニングサイト長の孫相哲さん、AHA BLSインストラクター・IEMA BASICインストラクターの尹明礼さんが参加。思い出とこれからの韓国内でのCPR普及の熱い思いを語っていました。
白理事長は「澤木初代理事長の遺志をしっかりと受け継ぎ、インストラクターの皆さんといっしょに、協会事業発展のために一生懸命頑張ります」との決意を参加者に表明していました。
ECCU 2014に参加して 山田美絵子(一般社団法人 国際救命救急協会理事)
34年の歴史を持つECCUは、今回22ケ国からの参加がありました。私たちも2014年6月4日~6日に参加してきました。
心停止で死亡する数は1年間で50万人、1960年からCPRで救われた人は200万人にのぼる。この学会で、実際に救命された方がオレンジ色のシャツを着て参加していた。CPRは改めて、すばらしい、究極の救急法と感じました。
CPRはニッカーバッカーDr.ら3人が考案したもので、彼らも学会に参加していました。
更に1988年に開設されたハンスダール(ノルウェー人でCPRの装置などの開発に貢献した方の名前)賞を救命の輪、早期除細動の重要性などで貢献されたジョセフDr.が表彰されました。
2015年のガイドラインに向け、様々な発表と質問がありました。胸骨圧迫のスピードと深さの関係、ライセンス取得について、などが議題に上がっていました。
実際に救われた方は、胸骨圧迫の強さが50㎜以上で行われていた。圧迫を早くすると、押し切れず、戻しが悪くなったり、深さが不十分となる。また、疲労から弱くなったり、ペースが遅くなったりすることが多い。そのためにもCPRの質の向上こそが救命率を上げるのに必要と報告がなされました。さらには、AEDのためのCPR中断は10秒以内が望ましいとの報告もあった。
最近の調べで、アメリカでは若者の死が多い。しかし、子供と大人では同じ心臓発作でも原因が違う。AHAでは高校を卒業する生徒はCPRとAEDを必ず受けていることを法制化する考えでいる。また、ライセンス更新は必ず、スキルトレーニングを義務つける事が必要であり、習得したスキルを忘れないためにはシュミレーション・トレーニングあるのみと言い切られ、どこに行っても通じるようなCPRのライセンスの標準化が必要、その高品質のCPRはAHAに望んでいると報告していた。
これらの内容は、最終的に2015年2月にILCORで審議され、10月に発表される予定。
初めてのCPRの、しかもアメリカでの学会に参加し、聞きなれない英語を自分なりに解釈しました。簡単に言えば、2010年のガイドラインが大きく変化したので、今回のガイドラインでは大きな変化はなさそうです。胸骨圧迫の速度、AEDの赤ちゃんのJ数、CPRの標準化や法制化あたりが提示されると思われます。
今回は見るもの見るものに圧倒され、あっという間に終わってしまいました。何も土台のない状態の日本のCPR界の代表で飛び込んだ澤木先生のすばらしさに再敬礼いたしました。来年も最新情報をいち早くお届けできるよう、精進いたす所存です。
4日は、AHAのDeborah Haileさん、Bobby Walesさん、Pat Smithさんと会合を開き、意見交換してきました。
5日は、澤木前理事長・白およびAHAインストラクターが、AHAインストラクターの更新トレーニングを受けたアメリカのAHAトレーニングセンター(HES)の方とお会いしてきました。
一般社団法人 国際救命救急協会が発足 2014年5月12日
2014年5月12日、国際救急救命協会は一般社団法人となりました。
その後、理事会が行われ、ECCUに出席した白鹿子理事長と山田美絵子理事から報告がされました。
それによるとECCUでは、高品質のCPRをAHAに望んでいるとの発表がありました。そして国際救命救急協会は、AHAと長い間に渡って協議協定を結んで連携を維持発展させてきています。当協会のCPR教育の水準は、とても高いものといえるでしょう。
白理事長、山田理事はともに、AHAと繋がりを作って下さった澤木前理事長の足跡は後世に伝えていくために、さらにがんばっていく決意を述べました。。
さらに、日本のCPRの先駆者である澤木前理事長の功績を残すべく、協会の歴史をHP上に載せることが決まりましたので、ご報告させていただきます。
理事長 白 鹿子
理事 山田 美絵子
理事 佐藤 哲守
理事 三山 明秀